約束の柱、落日の女王

あらすじ

「私を裏切ったとは、思わぬ」

すべてを知っても、そう言って微笑もうとするクリムをカルロは抱き寄せる。

「君を残していくことはしない」

迫る隣国の脅威、私欲しかない家臣たち。
危機感を覚えても、どうすることもできず
孤立する若きシュラトス王国女王クリムエラの前に、一人の戦士が現れる。
カルロと名乗り、政治、軍事と鮮やかな手並みを見せるその男は、
短い間にクリムの中で、大切な存在となってゆく。
・・・だが、彼にはある秘密が・・。
そして、そのために二人は同じ道を歩めないはずだった。
それでも。クリムとカルロは誓う―

「どんな刻も、一緒に生きる」

と。
約束を果たすため、彼らの“運命”との闘いが始まる!
第16回ファンタジア長編小説大賞準入選受賞のピュア・ラブストーリー。
ひとつの出会いが、刻を超え世界を変えてゆく―。

感想

5年近くまえの作品ですが昨日UPした花守の竜の叙情詩を読んで
感想をUPする事にした作品。

この作品も最後には主人公とヒロインの避けられない別れがある。
基本的にこういう話は綺麗で好きなんだけど・・・哀しい。

イリアーラという国の貴族であり軍人でもある青年カルロ
彼は28の若さで陸軍中将となりさらにその上を目指す才能ある若者。

シュラトスという国の女王クリムエラ
17歳の少女で弟が毒殺され女王となり、重臣達の無能さに辟易しながらも
自身も何をすべきかはっきりとはわからない少女。

イリアーラシュラトス、同じ場所にある2つの国。
違うのは存在する時間だけ。
その間にあるのは2千年という長い年月。

別々の時間に生まれた2人がクリムの国を救う神の戦士を召喚する魔術により
出会うことから始まる物語です。

カルロは最初は未来に戻るための手段を見つける為、クリムに取り入り
シュラトスでの地位を固めていきます。

しかしクリムとの触れ合いを経て徐々に未来に帰るのではなく彼女を
支えようと・・・そして愛するようになっていく。

しかしカルロカルロが史実では滅びの運命にあったシュラトスを救う為の手段を考え
実行に移すごとに彼は段々と不安に駆られていく。

そして全ての準備が整ったとき2人に別れが訪れる。

2千年という時間によって離れ離れになった2人は・・・

号泣しましたよ!

5年前、買った当時、すでに二十歳過ぎてた兄ちゃんが家で本読んで号泣。
今回も読み返してウルっときました。

いいものはいつ読んでもいいものだ。
カルロクリムはもう出会う事は・・・触れ合う事はできない。
こういう悲しい終わりかただが、こういう話はやっぱり綺麗だと思う。

自らの時間に戻ったカルロが廃墟の神殿で2千年彼を待っていたクリムの幽霊(?)と出会い
その会話の後、自害しようとすると彼の剣がまるで2千年の時を過ごしたかのように
錆付きカルロクリムの想いを知るシーンとか本当にもう・・・

最後に一文。
2千年もの長い時間に引き離された2人。
それでもクリムの意思はカルロが自分に会いに来る事を信じて待っていた。
そしてずっと彼の中で生き続けると・・・・・・

「ありがとう、カルロ。これからもずっと一緒だよ」

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花守の竜の叙情詩(リリカ)

あらすじ

隣国エッセウーナによって制圧された、小国オクトス。
囚われの身となったオクトスの王女エパティークは、絶望の中にあった。
だがある日、そんなエパティークの前にエッセウーナの第二王子テオバルトが現れ、告げた。

「これから、俺と君とで旅に出る。捕まれば、命はない」

その『旅』とは、願い事を叶える伝説の銀竜を呼び出すというもの。
呼び出すために必要とされる生贄が、エパティークなのだ。
王位継承争いで帰る場所のないテオバルト。
囚われ、生贄となるエパティーク。
支配した者と、された者。
互いを憎み、反発しながら、孤独な二人の長い旅が始まる―。
宿命の愛と冒険の物語。

感想

これは面白かった!

エッセウーナという国がオクトスという国を制圧し、その両国の王子と王女が
伝説の竜を喚びだす為に旅にでる話。

         -----------------------------

○テオバルト

兄の命で父の命を救う為という名目で生贄の資格を持つオクトスの王女と
旅に出る事になるエッセウーナの第二王子。

後ろ盾のない不遇の王子で腹違いの妹であるロザリーにだけ心を許す
人間不信気味な少年。

最初は何も知らず不満を言い続けるエパティークを蔑んでいたが・・・

○エパティーク(アマポーラ)

オクトスの王女。
テオバルトの兄に国を滅ぼされ、伝説にある銀竜を呼び出した聖女の血を継ぐ為に
テオバルトと共に生贄として捧げられる為に共に旅にでることになる少女。

最者は自身の境遇を全て回りのせいだと思い込み、自らの心を守ろうとしていた。
テオバルトに父親の悪政や民の自分の一族への憎しみを知りショックを受ける。

テオバルトに対する恐怖心から彼に従っていたが彼がエパティークの身分を
紛らわせる為に買った奴隷の少女・エレンとの触れ合いで徐々に・・・

身分を隠すためにテオバルトにアマポーラの偽名を与えられる。

○エレン

テオバルトが旧オクトス内を旅するための偽装として買った奴隷の少女。
エパティークに似た髪の色をしたまだ幼い少女。
エパティークが姉として面倒を見ることになるがまったく面倒を見れない。
まだ幼い為か2人によく懐くが2人は・・・

しかし彼女の存在が2人の関係を徐々に変えていくことに。

         -----------------------------

こういう話は悲しくはあるけどとても好きな部類の話です。

テオバルトは自身とそして最愛の妹の為にエパティークを生贄に捧げる為に
あくまで伝説の存在である銀竜のいるという山へ彼女を連れて旅をする。

エパティークは制圧された国の姫としてテオバルトに従うしかなく
さらに自分が知らなかった自国の民の自分達に対する憎しみを知る。
正体がばれれば彼等に私刑を受け、旅を続けても待っているのは
贄に捧げられた上での”死”

テオバルトが妹を裏切れない為、どうかんがえても最後には別れが待っているという状況で
そんな2人が旅を通じて徐々に心を通わせていく。

素直に感動できる作品でした。

最後は結局2人には別れが待っていたけどそれは最悪のものではなく
希望が残るものだったと思う。

こういう終わり方よりやっぱりハッピーエンドの方が好きだが
これはこれでやっぱり綺麗な終わり方なんだと思う。

涙腺が緩い方は注意が必要かも。

最後に一文。
テオバルトがアマポーラ(エパティーク)との別れ際に言ったセリフ。
詳しくは書きません。これはぜひ自分で読んで確かめてもらいたいですね。

「アマポーラ・・・。君を想う故に、連れて行けない」

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無限のリンケージ デュアルナイト

あらすじ

「ロバートさんは—無敵です」

自らの立てた戦術を理解し、完璧に体現するロバートの姿を見て、
メカニックの少女サクヤはつぶやく。
宇宙時代の決闘競技Battle of Triple Ring。
特殊な力場を武器に戦うこのプロスポーツは、その刺激と危険性ゆえに、
高い報酬が約束される人気競技でもあった。
自らのスタイルを貫いて戦い抜くロバートに、密かに憧れるサクヤだが、
当のロバートはどこかとらえどころがなく、二人の距離はなかなか縮まらない。
そんな中、ロバートのトップリーグへの昇格を懸けた重要な一戦が近づいて・・・!?
第1回GA文庫大賞・奨励賞受賞作。

感想

表紙イラストを見て購入を決めた1冊。

特殊な力場を発生させる3つの装備で戦うスポーツを中心とした話です。

○Battle of Triple Ring(BTR)

装備は3つと決められていて剣、盾、飛行、銃、打撃などを戦いごとに組み合わせて
互いに戦い大きなお金が動くスポーツ。
ただし戦いのうえで死ぬ事もある。

そんなBTRで剣と盾と鎧(+飛行能力)で戦うロバート
そしてそんなロバートを支える天才少女でメカニックのサクヤ

サクヤがかわいい!!

上のリーグへの昇格まであと少しとせまるロバート達
サクヤは恋心を抱くロバートとの距離を縮めようと奮闘する。
しかしお姫様の様な自社の社長や彼の過去がそれを阻む・・・

命を失う事があるとはいえスポーツだと思っていたら要所要所で
時代がまったく違うような場面が描写されていて少し疑問に思ったが
途中からなんとなく理解できたあたりから面白くなってきた。

ロバートの過去や彼がBTRで戦う理由。
すごく重く感じました。
そして昇格する為の最後の戦いの相手は彼と深い因縁がある相手で。

燃えた!

サクヤも彼から過去を聞く事で彼の真意を知り精一杯手伝おうとする姿がいじらしかった。
ロバートにとって大切な女性であった人とサクヤは似ている所は確かにあると思うのだが
明確に違うと思える描写が所々にあるのがよかった。

今回の最後で因縁に決着はついたが、新たに生まれてしまった因縁。
続きがあるなら楽しみにしたい。

ちょっと残念だったのはロバート達の会社の社長が結局、後姿のみだった。
ロバートの大切な女性であり社長の姉であるエイジャ姫はイラストがあったが・・・
そっくりなのかそれほどでないのか・・・気になる。

最後に一文。
サクヤロバートの復讐に協力する代わりにだした条件。
ロバートの回想でエイジャ姫が彼に『俺』ではなく『僕』と言う様にとシ言うーンがあり
それの後にサクヤのこのセリフ。かなりグッときた。

「ご自分のこと、『僕』って言うのやめてください」

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