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小さな魔女と空飛ぶ狐

あらすじ

レヴェトリア空軍のエースパイロット・クラウゼは、
ある日突然、“内戦解決の切り札”とされる重要人物の補佐を命じられる。

待っていたのは、わずか16歳の少女アンナリーサ。
彼女は名門ラムシュタイン家のお嬢様で、国の最高学府を11歳で卒業した天才なのだという。

「戦争なんてすぐに終わらせてあげるわ」

ワガママ放題の“小さな魔女”が巻き起こす様々なトラブルを前に
クラウゼは、無事に彼女の騎士を務め上げることができるのか?

そしてアンナリーサは、本当に戦争を終結させられるのか―?

“ワガママ魔女”と“ヤサグレ狐”が織り成す、現代の御伽噺。

感想

2010年9月の電撃文庫新刊

面白かった・・・こういうの好き

うれしい誤算・・・っていったら失礼かもしれませんが、
なんとなくで買って、あらすじ読んでもそれほど期待してなかったんですが
読み始めたら一気に最後まで読んでしまいました。

2人の天才と戦争の悲惨さ

この話は直接的な戦闘よりも別の場所に主題が置かれている気がします。

主人公・クラウゼが協力することになった天才少女・アンナリーサ

彼女は最初の時点では自分が作る兵器や発明が
戦場でどれほどの被害を・・・人を殺しているかを本当の意味で理解していなかった。
頭では・・・知識としてはきちんと理解して、わかっていたみたいですが
大切な・・・実感としての理解をしていなかった。

クラウゼも戦闘そのものに、そして人を殺す事を嫌っていて、
でも夜間戦闘においては相手のエースパイロットを倒すほどの戦果をだしている軍人。

嫌いながらも人を殺さずにすむ立場ではなく、彼自身もこの話の最初の時点では
自分がしてきた事の結果を完全に理解していなかったかもしれません。

そしてクラウゼ達の敵国に当たる国の科学者・アジャンクール

こちらはまさに狂気の科学者といった感じだけど、
それにはちゃんとした原因があり、普段は結構いい人。

彼の狂気は基本的に戦争と国の対応が原因で、本来は妻を愛し、
家族を亡くして嘆くエマの為に憤慨するじいさん。

そして彼に協力するエマはまだ新人の軍人
色々と問題を起こして、アジャンクールの所に左遷された感じだけど
兄をそして同期の友人をクラウゼに殺され憎しみに燃える女性

2つの国で2人の科学者とそれに協力(?)する2人の軍人
お互いに接点があり、複雑な関係を作ってます。

主人公であるクラウゼエマは基本的に何かをするっていうのはなく
後半の戦闘シーンでそれぞれ新型機に乗って戦争を終息に向かわせる
決定的な戦いに参加したけど、やっぱりこの話の中の戦争
アンナリーサアジャンクールの戦いだった。

っていうかコイツらおかしい・・・

どちらも自分が開発したい兵器を開発したいけど、上層部から却下されつつも
片手間でガンガン新兵器を作り、それが戦場に投入されていく
その発想とそれが現実に実現するまでのスピードが正直ありえないくらいなスピード。
その上で本来開発したいと思っているものはICBMや核兵器だっていうんだから
最早凄いを通り越して怖いくらいの才能・・・

まぁこの2国が戦争をしているのはあくまで”間接的”っていうのも原因かもしれませんが。

内戦状態の国で支援や援助という名目で兵を派遣して、そこで新しい兵器を試したりと
戦争を利用している感じがあり、正直どちらの国にもいい印象は受けない。

作中にあった同時多発テロはそういう状況で利用されていた戦争状況の国の人間が
起こした復讐っぽい感じだけど、さらにその裏に黒幕がいたような感じで書かれていて
最終的にそこら辺はあいまいに書かれてたけど・・・まあ現実にあってもそうなりそうで
逆にリアルだった・・・

このテロがアンナリーサに自分のやってきた”結果”をわからせる事になり、
アジャンクールの妻に怪我をさせ、彼の狂気を加速・・・
といってもそれは大切な人を傷つけられた者なら誰でも持つ怒りが原因。
それが電子励起爆弾という兵器の開発に向かわせた

ただこのテロ行為が2人に影響を与え、それぞれが受けた影響が
最終的に重なって戦争が収束していく結果になるんだから・・・本当に皮肉

そしてその戦いが、エマの自分へのあまりにも真っ直ぐな憎しみが
自分の境遇を嘆くだけだった彼に、自分がしてきた責任を考えさせるようになった

それぞれの成長・・・そして戦争を終わらせるために戦争が必要だったという
なんか色々とやりきれない感じがあったけど最終的には・・・よかったのかな?

それぞれのキャラもいい感じだった。

クラウゼは夜間戦闘の妙手。

相手の動きや感情まで読み、それを利用して決して正々堂々と戦う事無く戦い
戦果をさしてきた”狐”と呼ばれるパイロット。

夜間戦闘・・・そして戦術で戦うという戦いかたはいい感じ

そして彼の知り合い・・・っていうか幼馴染っていえる存在で
軍での階級も上のイングリッドとのやりとりもいい。

っていうか読んでいて最初から薄々感じていたんだけど
イングリッドって明らかにクラウゼを意識してる。
エピローグの彼女のセリフとか何気に悶えてしまった。
明らかに特別扱いしてるもんな・・・

クラウゼも彼女に頭が上がらず、色々と面倒を背負い込まされたりするけど
アンナリーサは彼女の前でクラウゼの雰囲気が柔らかくなる事に気づいていた。
この2人がどうなるかとかもちょっと気になる。

アンナリーサは天才少女

本当に”天才”というのにふさわしいほどの才能を持つけど
歳相応の顔も見せる16歳の娘。
徐々にクラウゼに心を開き、惹かれて行く感じがいい。
そして自分のしてきた事を認め、それでもなお立ち上がった強さも凄い

彼女に仕えるメイド・メリエルは使用人というよりは家族に近い
しかも基本的にスーツ着てるからメイドって感じがしない・・・
真面目で有能そうなんだけどアンナリーサへの愛情が姉の妹へのそれに近い気がする
クラウゼといい感じになったりして・・・とか予想したんだけど
最初から最後までアンナリーサ至上主義の人だった・・・
アンナリーサになにかあると彼女に縊り殺されるらしい。

アジャンクールエマ

彼等は戦争に対する責任とか不毛さといった所とは別の部分。
人間として当然持つべき感情が強い2人。

アジャンクールは過去の出来事で狂気を孕み、
深い愛情を奥さんに感じてはいるけど、責任を感じて離婚した。
それでも一緒に居たのは2人が未だ想いあっている証拠だろうし、
奥さんが傷ついた時、彼が選んだのは奥さんの傍にいる事ではなく
その原因となった相手への怒りと復讐だった。

彼が感じた感情は人間として当たり前だし、決して間違ってはいない。
それが大量破壊兵器の開発という事になったのは、たまたま彼が科学者で
それを生み出せる頭脳があったからだったし・・・

エマクラウゼへの憎しみもやっぱり人として当然でアジャンクールと同じ。
兄を・・・友人を殺され怒り、相手を憎むのは当然。
その相手を殺したいと思うことは正しいとは思わないけど、
決して間違っているとも言えない。

ある意味で彼等はとても人間らしい人間だった気がします。

怒りや憎しみを覚えながらも、
それを受け止めようとしたり解決しようとしたクラウゼアンナリーサ達とは
対比だった感じ。

続きは・・・でるのかな?

エピローグの感じだと戦闘のショックで狂気が消え、
軍との関係を切って奥さんに再プロポーズしたらしいアジャンクール
もう今回みたいに登場はしないような気もするけど、
クラウゼエマの因縁は残っているし、
アンナリーサクラウゼを離す気はなさそう。

他の国の存在もあるし、できなくはないだろうけど・・・
これはこれで終わりでいいのかも。
続きがでたらでたらでもちろん買いますが。

最後に一文。

アンナリーサのセリフ。

クラウゼに人を殺す感覚を聞いたアンナリーサ
クラウゼは実際に経験した事の無い事を聞いてもあまり意味が無いという意味で
『体験のない人間に~』というたとえを言ったのですが、彼女は子供扱いされたと感じ
反論を・・・最初は尊大な娘だと思ったけどこれは可愛かった。
なんていうか・・・根は素直で初心

「わ、わたし、処女じゃないもん!経験済みだもん!もう大人だもん!」

「・・・・・・すいません、嘘つきました」


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(2010/09/10)
南井 大介

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