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月光

あらすじ

退屈な日常から抜け出したいと思いながら
毎日を過ごすシニカル男子・野々村。

ある日、彼は美人で成績優秀、ゴシップが絶えない
謎多きクラスのアイドル・月森葉子のノートを拾う。

そんなアイドルのノートからはみ出した紙切れには
彼女のイメージとは程遠い言葉―

「殺しのレシピ」

という見出しが書かれていた。

思わず持ち帰ってしまった彼は翌日、月森に探し物がないかと尋ねるが、
彼女からは「いいえ」という返事。
そして数日後、彼女の父親が事故死する・・・。

第16回電撃小説大賞最終選考作、ついに登場。

感想

電撃文庫9月の新シリーズ・・・もう10月だけどね。

これは・・・ミステリになるのか?

主人公・野々宮がある日、クラスのアイドルで成績優勝、容姿端麗という
完璧人間である月森 葉子の落とした“殺しのレシピ”・・・
人を偶然を装って殺す方法が書かれた紙を拾う事から始まる物語。

なんとも言えない読了感が・・・

野々宮は日常を退屈だと感じ、そして人を観察しては色々と想像する事で
その退屈を紛らわせている少年

一方の月森はまさに完璧な美少女。
クラスメイトや教師からも愛され、非の打ち所がないような少女

その2人が“殺しのレシピ”によって関わるようになり、
そして月森の父親の事故死、そして母親の自殺と事件は繋がっていく・・・

野々宮は好奇心から“殺しのレシピ”を隠し持ちつつ、月森に近づき
彼女の方もそれに気づいたのか、彼に接触するようになる。

まぁそれが告白に繋がったりするあたり、彼女のしたたかさが垣間見れましたが。

野々宮は彼女を疑いつつも、理性ではなく感情の部分で彼女の事を考え始め、
徐々に疑いが晴れていくのですが、野々宮と似たような性質を持つ刑事・虎南の登場で
事件・・・というより彼等の関係はややこしく、そして複雑に

そして最後は野々宮月森が夜の公園、しかも月森の母親が死んでいた公園で
2人だけの解決編という形になっていくんですが・・・

これは・・・どう言えばいいのか・・・

野々宮はそれまであった出来事、考えた事、色々な推測を重ねて
月森の両親を殺したのは月森であると考え、それを彼女に伝えます。

彼女もそれを明確には”否定しない”発言をし、
そして彼女が家族に興味を持っていなかった事などの普通とは違う家庭だった事などを話す。
彼女の動機が『そんな気分だったから』というとんでもない推理を披露したり、
自分の罪を贖う為に、死んで見せようとした月森野々宮が助けたりします・・・

ここまでは普通の推理小説っぽいんですが・・・

ここからがこの作品の肝なのかも・・・

最初から変な違和感を感じていたんですが、この最後の最後まで結局気づかずに、
ようやくわかったのはこの物語そのものが、全て月森の手のひらの上であった事。

レシピを落としたのも、それを野々宮に拾わせたのも全て最初から月森が仕組んだ事。
そして野々宮の推理はほとんどが推測でしかなく、
動機にいたっては信じてもらえるような物ではない。
そして彼女本人が犯行を否定する発言をしてしまった以上、どうしようもなくなってしまう。

確かにこの物語を推理小説とするなら最も足りない物・・・それは”証拠”
この話の突端となった“殺人のレシピ”ですら筆者は月森の母親であり、
彼女はそれを知りつつも母がそれで父を殺そうとしたのを止めようとしなかっただけ。
そして母親の死については、なにもわからない・・・

これだけで推理は破綻し、結局真相はわからないという事に・・・

ここまでくるとちょっと怖い感じもしますが、
月森はずっと自分の全てを命すらも『運命の相手』に委ねようと決心して生きてきた。
そして彼女が知る中で誰よりも”つまらなそうに生きている”野々宮を相手に選び
彼との付き合いの中で彼を『運命の相手』と認識し、完璧であるが故の、
自分でなんでも出来てしまうが故の孤独を埋めようとした。

物語の最初から・・・そして両親の死に至るまで全てが
『運命の相手』である野々宮と関わり、心を通じ合わせる為に仕組まれた事の様に感じる。

野々宮が最後に方で考えたように、母親が“殺人のレシピ”を書いている事に
自分が思っている以上に月森が動揺していたのかもしれないし、
両親の死は本当に不幸な事故、そして自殺の可能性も本当にあるかもしれない
彼女は本当になにもしていない潔白の可能性だってある。

でもどっちが“真実”だとわからないまま終わり、
結果は・・・

月森の両親が相次いで亡くなった
野々宮月森は事件を通じてよりいっそう心を通じ合わせた

という事実だけ・・・
ライトノベルっぽくない作品でもあったんですが、最後には推理小説っぽくすらなく
なんていうか恋愛物に変わってたし・・・ジャンルわけが難しい1冊。

でも凄い面白かった。

続編はぶっちゃけ想像できないが・・・どうだろう。

野々宮に告白したもう1人のヒロイン、宇佐美
野々宮月森のバイト先の未来
そして軽薄そうでいてそれでいて鋭い刑事・虎南

面白そうなキャラはまだいるので可能性がない事もないのか・・・
月森がこれ以上、事件を起こすとは想像できないのでない可能性も大だけど。

最後に一文。

野々宮月森のセリフ。
物語の最後、何故、野々宮が自分を疑っているはずなのに
1人で彼女に会いに来たのかの答え。
そしてその答えに対する月森の言葉
なんていうか・・・奇妙で狂っているともいえるけど
何故か綺麗に見える2人の絆・・・

「─この世の中で月森葉子を疑って良いのは僕だけだからだ」

「この世の中で私を疑わせてあげるのは野々宮君くんだから」

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